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親知らずとは


親知らずとは、奥歯の一番後ろに生えてきます。中切歯(一番前の真中の歯)から数えて8番目に位置する歯で、正式な名称は「第三大臼歯」といい、「智歯」と呼ばれることもあります。

通常の永久歯は13~15歳で生え揃いますが、親知らずは20歳前後で生えてきます。
親元を離れてた年齢になり生えてくるため、親に知られることがなく生えてくる=「親知らずと呼ばれているようです。
昔は寿命が短くて、20歳前後では親は他界していることが多かったために「親知らず」と呼ぶようになったという説もあります。

親知らずは通常、上下左右の4本生えてきますが、生えてこない人や4本揃ってない人など個人差があります。
人類が火を使用するようになり、食生活が変化し、調理された軟らかい食べ物を食べるようになると顎が退化し小さくなってきました。
このため永久歯の中で最後に生えてくる親知らずが生えるスペースがなくなってきて、親知らずはきちんと生えることができなくなってきています。


親知らずは必ず抜く必要があるか?!

親知らずの生え方は個人によって違いますが、大きく4つに分けられます。
・正常に生えている
・歯が全部出てこず、一部が歯茎に埋まっている
・歯が横に倒れたり、斜めに生えている
・歯が歯茎から全く出てきておらず、歯茎に埋まっている

【抜歯の必要がない親知らずもある】
★正常にまっすぐ生えていて、きれいに磨けている
★上下の親知らずがきちんと生えていて、しっかり?み合わさっている
★歯茎が覆いかぶさっていない(顎にしっかり並んで生えている状態)
★完全に顎の中に埋まっており、歯や歯茎に影響がなく、症状もない

このような場合は、他の歯と同じように機能するので抜歯の必要はありません。
また、親知らずを残すことのメリットも考えられます。例えば、親知らずの前方の大臼歯を失った場合に
ブリッジの土台としたり、失った大臼歯に親知らずを移植することも可能になります。

ただし、抜歯が嫌だからという理由で親知らずを放っておいてはいけません。
奥歯に異常を感じたらかかりつけの歯科医に行って相談しましょう。
次に親知らずのトラブルについてご説明いたします。


親知らずによるトラブル

①虫歯
少しだけ出ていたり、傾いて生えている親知らずには、汚れがたまりやすく、歯ブラシも届きにくいため虫歯になる危険性があります。
親知らずが虫歯になると治療が難しく、その後のメンテナンスも困難になるために抜いたほうが良い場合が多いです。
きちんと歯みがきが出来ていないと、親知らずだけでなく、隣の第二大臼歯も虫歯になりやすくなります。
第二大臼歯は大切な歯ですので、親知らずからの悪影響を受けないように予防することが大切です。

②智歯周囲炎
食べ物のカスが詰まりやすく、歯みがきが上手くいかないと不潔になり周囲の歯肉に炎症をおこしてしまいます。
これを智歯周囲炎といいます。これは慢性的な炎症となり、体調が悪くなると腫れたり、痛みが増強したりします。
また口臭の原因にもなります。症状がひどくなると頬が腫れたり、口が開けにくくなる場合もあります。
細菌が喉の奥に進行して、首や胸にまで感染が広がって重症になると入院治療が必要になるケースもあるため注意が必要です。

炎症を繰り返し、不調を来たす場合には抜歯をするのが適当と考えられます。 炎症がひどいときは、抗生剤の服用で
炎症がおさまってから抜歯を行います。

③歯根吸収
横向きに生えている親知らずが、隣の歯(第二大臼歯)を強く押して、根や周りの骨を溶かすことがあります。
これを歯根吸収といいます。歯根吸収が進むと第二大臼歯が弱くなって、将来的には第二大臼歯まで失ってしまうことになります。

④歯並び・噛み合わせへの悪影響
親知らずの手前の歯を押して、歯並びを悪くすることがあります。
このために噛み合わせが悪くなり、スムーズな顎の動きが出来なくなります。結果として顎関節症や頭痛などの原因となります。
また、上下どちらかだけに生えている場合は、噛み合わせの歯がないために、親知らずはどんどん伸びてきます。
このために歯茎や頬の粘膜を傷つけて痛みを引き起こすことになります。


親知らずはいつ抜けばよいか?

親知らずが生えてくる年齢である20歳前後で抜歯するのが最も良いとされています。
20歳前後では骨や歯が硬くなっていないので、骨を削ったり、歯を割ったりしなくてもよい場合が多いです。
親知らずに限らず歯の根っこ(歯根)は年齢とともに周囲の顎の骨としっかりとくっつく(癒着する)傾向があります。
癒着している歯は抜歯が困難になります。

そして、年齢が若いうちは抜歯後の骨や歯茎の治りが良く、回復力も高いために傷口が早くふさがります。
30~40歳代での抜歯は歯周病のリスクが上がり、抜歯後の痛みが長引く傾向にあります。
50歳代以上になると全身状態に悪影響を与えるだけでなく、顎の骨と歯根が強く癒着しているために抜歯も大変になってきます。
また、親知らずが原因で起こる虫歯や歯周病を防ぐため、あらかじめ抜歯することで他の歯を守ることができます。

女性の場合は、妊娠中に症状が出る方も多くいらっしゃいます。
妊娠中はレントゲン撮影ができなかったり、麻酔の使用や抗生剤・鎮痛剤の服用に制限があるために治療が難しくなります。
結婚を控えた女性は歯の検診を受けることをお勧めいたします。


親知らずの抜歯は痛い?

痛いというイメージが強い親知らずの抜歯ですが、処置時は麻酔の効果により痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が切れてから傷口が痛むことはありますが、痛みを感じる前に鎮痛剤を服用することで、多少は痛みを軽減することが可能です。



抜歯後の痛みは抜歯に要した時間により異なってきます。
親知らずが正常に生えている場合は、比較的簡単な処置となり、 侵襲も少なく時間もかかりません。
親知らずの大部分が骨の中に埋まっていたり、歯の根っこの形が複雑であった場合は、普通の抜歯に比べて格段に難しくなってきます。

歯肉を切開したり、骨や歯を削ったりするために注意と手間が必要になります。
この処置は、皆さんが想像している抜歯のイメージよりも、手術をして歯を摘出するといったほうが近いのかもしれません。
歯を抜いた後は、切開した歯茎を縫合していきます。

また、上下の歯を比較すると、腫れや痛みが長引くのは下の歯の方が多いようです。
上は顎の骨も柔らかく、周囲に筋肉などの組織も少ないので、抜歯後の安静が保たれます。

それに比べて下の親知らずは骨にしっかりくっついていることから抜きづらく、まっすぐ生えていない場合が多いので、
歯茎の切開などが必要になります。下顎は骨が緻密であったり、周囲に筋肉が多く抜歯部位の安静が保てないことも原因のひとつです。

抜歯によって、その後の腫れや痛みなどが生じたり、リスクを伴うこともありますので、メリットとデメリットについて
歯科医と十分に相談してから決断するのが良いでしょう。
そして、抜歯後は抗生剤や痛み止めのお薬の服用と通院を指示通りにきちんと行いましょう。


親知らずの抜歯後のリスク

〈ドライソケット〉
親知らずを抜いた後、一度は治まりかけた痛みが再び強くなる場合、ドライソケットになっていることが考えられます。
通常、歯を抜いた後の穴に血が溜まって、ゼリー状に固まり血餅(けっぺい)が出来てくることで治癒に向かいます。

この血餅が何らかの理由で剥がれたり、感染により溶解することで強い痛みの原因になります。
この状態をドライソケットといいます。ドライソケットは、抜歯後2~4%くらいに現れるというデータもあり、
治癒するまでに10日~2週間くらいかかります。

ドライソケットは抜歯後の生活の注意で防ぐこともできます。
歯を抜いた後は血が止まるまで清潔なガーゼを30分間くらいしっかり噛んでおきます。

それからは、唾液に血が混ざる程度であれば特に問題ありません。このときに何度もうがいをすることは避けましょう。
うがいをし過ぎると、穴にできた血餅が剥がれることがあります。

また、血が固まるまでは飲酒、激しい運動、熱いお風呂につかる等の血行が良くなりすぎるような行為は控えましょう。
食事は抜歯部位に負担のかからないように柔らかいものを食べるようにします。

そして、食べカスが詰まっても吸ったりしてはいけません。せっかく出来た血の塊をはがしてしまうことになります。
抜歯後は違和感があり、抜いた部位を舌で触ったりする方もいますが、このようなことも控えましょう。

〈神経麻痺〉
下顎の歯の下には下歯槽神経という神経が走っています。親知らずの根の先端はこの神経の近くにあるか、
接触しているため、抜歯により神経が少しでも傷ついたり、圧迫されたりすると神経に麻痺を生じることがあります。

下唇周辺や舌の感覚麻痺、味覚障害などが現れますが、この麻痺は基本的には治癒します。
ただし、神経組織の回復には長い時間がかかるので、治癒までには1~2年かかることもあります。

〈口腔と上顎洞の交通〉
上顎の親知らずの上には上顎洞(副鼻腔)という空洞があります。
親知らずの根っこが元々、この上顎洞に突出している人の場合、親知らずを抜いた後に穴が貫通してしまいます。

上顎洞を間にして、口腔と鼻腔がつながってしまうために、口から飲んだ水が鼻から出てきたり、
口から鼻に空気が漏れ出たりすることあります。穴の大きさにもよりますが、
穴が小さくて炎症などを起こさなければ、ほとんどは自然に閉じてきます。

〈出血〉
下顎骨の中央には下顎管(かがくかん)という管があります。
この管の中には下歯槽神経、下歯槽動脈、下歯槽静脈が走行しています。親不知の根の先端がこの管と接触している場合は、
抜歯時に血管が傷ついて多量に出血するリスクがあります。

 
     
     
   
 

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